On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2008-05-17 06:00:23

本の話をするなら…





…この話をも、必ずせねばなりません。

▼ダライ・ラマ14世を支えてきた亡命チベット人のペマ・ギャルポさん、日本の仏教界から初めてチベット抑圧に抗議する良心と勇気の声をあげた大樹玄承師らが顔をあわせて議論し、ぼくも加わった対談の載った、撃論ムック「チベット大虐殺の真実」が緊急発売されています。


▼このムックには、対談だけではなく、さまざまな証言者から、凄絶なドキュメントや論考が収められています。


▼出版元から、ブログに載せてほしいと依頼もありましたし、ぼくとしても大樹玄承師のお話などを広く読んでいただきたいと考え、早くブログで紹介したいと思っていました。

 しかし、すこし遅くなりました。
 理由があります。
 対談のあと、それが編集者らの手で当然の必須作業として、整理されて、そのゲラがぼくの自宅にも、ある夜にファクシミリで届いたのですが、ぼくが確認できる時間が、驚いたことにその一晩しかなかったのです。
 緊急出版であったためですね。
 だから、やむを得ないことだったと思っています。

 ただ、その夜に、ぼくは別の、早くから約束のあった徹夜仕事があり、ゲラ直しができませんでした。
 朝になり、独立総合研究所(独研)社長として他の社員と中央省庁を訪ねて高官や幹部らと協議する仕事のなかで、タクシーの車中や、わずかな待ち時間を利用してどうにかゲラ直しを終えて、出版社に送りました。

 しかし「もう間に合わない」とのお返事でした。


▼それでも、対談を主催した気骨のジャーナリスト、西村幸祐さんらがしっかりと努力してくださり、ある程度は、ぼくの直しが採り入れられているそうです。
 「そうです」、というのは、ぼくはまだ確認できていないのです。

 出版社のせいでは、まったくありません。
 独研に届いているのですが、ぼくはこの間、出張や政府機関訪問など外の日程がたいへんに立て込んで詰まっていて、独研本社に出社できていないのです。

 ゲラ原稿をみると、ぼくの実際の発言とはニュアンスの違う記述部分、それから事実関係の誤解がいくつかあり、どこまで直っているか、それを確認してから、このブログに載せようと思っていました。


▼しかし、この一つ前の書き込みで、自分の本に触れた以上は、このチベット人のための緊急出版に触れないわけにいかないなぁと考え、出版社から送っていただいた表紙の写真と一緒に、載せます。

 みなさん、チベット人の命と、民族として人間としての自立と、それから宗教や良心の自由の尊さを知るムックとして、どうか手に取ってみてください。

 こころからお願いします。
 深々と、頭を下げて、お願いします。




 5月17日朝5時50分。大阪のホテルの一室で、関西テレビ「ぶったま」参加(生出演)へ出発するまえに。

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