On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2010-04-10 01:49:22

また直前で、しかも…

…ちいさなお知らせばかりで、申し訳ないけど、明日というか今日の土曜の朝、7時半から再び、毎日放送制作でTBSネットのTV番組「知っとこ」にコメントでちらりとだけ顔を出します。(東京では6チャンネル、大阪では4チャンネル)(★番組表を確認したら、今日に限り、マスターズゴルフの中継の影響で、「知っとこ」は朝8時からです)


▼コメントだけの出演は、独研(独立総合研究所)の公式ホームページでは告知しても、この個人ブログでは原則、告知はしない、ということは変わらないのですが、土曜の朝というと、かつての関西テレビ「ぶったま」という番組をどうしても思い出しますし、なにせ、この「知っとこ」は、スタッフが「ぶったま」と重なっているのです。

 前回は、放送作家が同じ人らしいということを書きましたが、実は、コメント収録に来られるディレクターも、「ぶったま」の制作に加わっていたそうです。
 その若手ディレクターから、「ぶったま」という番組名の由来も初めて聞きました。

「ぶったま」が終了した理由は、あくまで部外者のぼくの知る限りは、阪神タイガースの不調に関係していたようです。もともとは阪神タイガースの応援番組で、ぼくのつたないニュース解説のコーナーができたのは、番組開始からずっと後のことでしたからね。
 だけど、この「ぶったま」終了を惜しむEメールが今も絶えずにぼくに届くし、関西で講演すると、聴衆のかたから「アンカーは水曜の夕方で、仕事中だから視られない。ぶったまは土曜日の朝で視られるから、楽しみにしていたのに」という声を、必ずと言っていいほど聞きます。

「知っとこ」のコメント出演がその代わりになることは、まったく思いませんが、まぁ、お知らせだけは書きたくなりますね。
 みなさん、いろいろ期待に応えられなくて、ごめんなさい。


▼今回の収録は昨日の金曜に、独研の本社・社長室でありました。
 だけど、新刊「ぼくらの祖国」(扶桑社)が脱稿していなくて、ほとんど寝ていない生活がずっと続いているままなので、たぶんめちゃ、ひどい顔と声、しゃべり方だと思います。
 顔は鏡も見ていないので、よく知らないけど、声としゃべり方には、自分でうんざり。

 今回のテーマは、「中国で覚醒剤の密輸をめぐって日本人4人が死刑になったことは、日本の若いひとの覚醒剤汚染とどう関係するの?」ということで、ディレクターの質問にぼくが、そうですね、小一時間ほど答えたかな。もうちょっと短かったかな。
 いずれにせよ、放送されるのは1分半ほどだと思います。

 この事件の最大の問題点のひとつは、中国の司法・裁判制度が想像を絶するぐらい、民主主義の司法とはかけ離れていることで、4人について「北朝鮮製の覚醒剤を日本に密輸しようとした」「その覚醒剤の量は、これこれ(たとえば1.5キロ)だった」ということぐらいしか中国側から示されていません。

 だから、具体的にどのようなルートで北朝鮮製の覚醒剤が日本に入るのか、日本が把握するのが難しいし、たとえばビジネスの出張者や観光客が、みずからの意志に反して罠にはまって覚醒剤を持たされ、監視されながら空港から日本へ帰国しようとして捕まるケースがあるのかないのかも解明できません。
 しかも、上記のようなケースの場合でも、現在の中国の司法・裁判制度では、事実解明も、情状のフェアな考慮も不充分なまま死刑判決があっという間に下される懸念があります。
 今回の4人がそれに当たると言っているのではありません。当たるかどうかも確認できないのです。
 司法はもちろん、その国の主権に属しますが、国際法によれば人権をめぐる問題については国際社会から一定の関与ができます。
 だからこそ、拉致を含む北朝鮮の人権問題が、拉致の被害国である日本などだけではなく国際社会全体の問題として取りあげられているのです。

 したがって、鳩山政権が及び腰なのは正しくありません。
 4人について、どのような逮捕の経緯があり、どのような取り調べと証拠の発見があり、そして裁判においてはどのような審理が行われたかを、日本に開示するよう、中国に強力に求めねばなりません。
 実は、この鳩山政権の姿勢が、新たな悲劇を呼ぶ恐れがあります。
 なぜなら、覚醒剤など薬物をめぐって中国に今、拘束されている日本国民は、死刑を執行された4人以外にも、驚くほどの数、いるとみられるからです。ここではこれ以上は書けません。(クローズドの完全会員制のレポートでは詳細に記しました。ご関心の強いかたは、どうぞ独研・総務部に問い合わせてください。ただしレポート1本ごとの配信サービスはありません。独研・総務部の配信実務として、それは不可能です。…そして、宣伝で言っているのではありません。クローズドの場でしか記せない情報はあるのです。みなさんがご承知の通りですね)

 ディレクターは誠実なひとで、ぼくもこの真意が伝わるよう懸命に話しはしましたが、さて、短く編集されるコメントで、どれほど伝わるかはわかりません。
 せめて誤解は与えないよう願う、祈るばかりです。
 コメントは短く編集されるのが常であり、たとえばTVタックルでは2時間収録して放送されるコメントは2分ほど、ということも常識的にありました。
 それを承知で、国民のかたがたに問題提起などをいたす機会のひとつとしてコメント収録に応じているのですから、TV局の編集権によってどのように編集されても、どれほど短くても、なるべく真意が伝わるよう、ぼくはできる限りの努力を尽くさねばなりません。


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