On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2010-04-20 02:34:43

真夜中の空を見つつ  (熊本に着いてから、すこし補足したり書き直しました)




▼ぼくは、この個人ブログのコメント欄を完全開放していることについて、2009年6月2日の未明に、すでにお話しをしました(下掲)。
 そのように書いた以上は、それぞれのかたの見識に待つべきだと考えます。

 この国の唯一の主人公であり最終責任者である国民に、立場や考えの違いを超えて信頼を置くことを、ぼくは基本にしてきたのですから。

 中傷も、宣伝か、それに類する書き込みも、みずから見識を発揮されることを待ち続け、それが実現しないことに、いくらかは落胆する思いです。
 そして、ぼくがこうやって、あらためて述べねばならないことを、いちばん深く悲しみます。


▼しかし、猥褻書き込み以外は、特定の書き込みを削除することはしません。
 なぜか。
 それをすれば、ぼくにもいつかは、判断基準のぶれが生まれるからです。

 最初は、あまりにアンフェアな、誰からみても公平さを欠く書き込みなどに絞って、削除するでしょう。
 しかし、ぼくも人間ですから、やがては、とにかくおのれに都合の悪い書き込みはみな削除するようになる可能性があります。
 にんげんの弱さをみつめて生きるのは、物を書く人間としての根本姿勢です。

 また、ぼくの仕事が多層的のうえにも多層的に重なりあい、そしてすべてがリアルタイムの対応、それも完全な仕事を求められる現状からして、コメントの中から選んで削除する物理的な時間が、まったく取れないことも十二分にあり得ます。
 しかし、そんな実状は、独研(独立総合研究所)の秘書さんや役員でない限り、どなたも当然のこととして把握できませんから、「なぜ削除されないんだ」という誤解にも、きっとつながります。
 では、誰か他者に管理させるか。
 いえ、ここはぼく個人のこころの庭ですから、そんなことはしません。


▼したがって、みなさんそれぞれの見識によって改善することがないのならば、コメント欄をすべて閉じるか、あるいは、個人ブログそのものを永遠に閉じるか、どちらかしかありません。

 ぼくは、硫黄島の英霊のかたがたと、白梅学徒看護隊の少女たち、それから亡き父をはじめとするご先祖さまに清いお水と、深きも深い感謝と、ささやかな誓いを捧げるのと同時に、京都の広隆寺に半跏思惟のお姿でいらっしゃる弥勒菩薩に、祈りを捧げています。
 修行者でもある弥勒の汲めども尽きぬ微笑に込められた、赦しのこころを、忘れないために。
 悲しみ、落胆はしても、どなたも憎みませぬ。

 コメント欄の完全開放を続けるのか、コメント欄かブログそのもののいずれかを閉じるのか、その判断も、なるべくゆるりと、ゆっくりと致したいとは思っています。
 最後の最後まで、それぞれのかたにこそ、期待したいですから。


▼写真は、ぼくの書斎に掲げてある弥勒菩薩(みろくぼさつ)のお顔を撮りました。
 いまリビングで、暗い空を見ながら、この書き込みをやむを得ず書いていますから、書斎は明かりを付けていません。
 そのまま撮りました。





(かつての書き込み)
 
それぞれの庭、みんなの庭
2009年06月02日 04時07分33秒


▼今さら言うまでもないことですが、ここは、ぼくの個人ブログです。
 外からそのまんま、すべて見えるけれども、あくまで個人の居宅に付いている庭です。
 どなたか、よその人の庭ではありません。

 個人の居宅の庭は、居宅の内側とは違って、外から見えるのであり、社会にも開かれています。その意味では、社会全体の眺めをつくる、みんなの庭の一部とも言えるでしょう。
 しかし、あくまでそれぞれの個人の庭ですから、よその人がご自分の庭のようにふるまうことは、できません。

 どなたかが、みんなに興味を持ってもらいたいサイトなどに誘導なさりたい場合、あるいは、ご自分の思想を長い文章で主張なさりたい場合は、ご自分のブログやサイトにURLや主張をアップされるのが筋ではないでしょうか。


▼この個人ブログのコメント欄は、なるべくオープンにしておきたいと考えていますが、最近あまりにコメント欄が重くなり、ブログ全体がアクセスしにくくもなっています。
 古くからこの地味サイトを尋ねてくださるかたがたから、何とかなりませんか、というEメールもいただきます。

 みんなに見て欲しいサイトに誘導したい気持ちや、主張をここで長く述べてみたい気持ちは、よく分かる気がします。
 それに、上で述べたようなことは、あまりに常識的なことですから、ここまで書かずにきました。
 あえてこうして書かねばならないことに、深い疲労を感じます。


 2009年6月2日 夜明け前の午前3時40分ごろ


(かつての書き込み、ここまで)


▼きょう(2010年4月20日火曜)は、熊本で講演です。
 朝とても早い時間に出発しますから、この書き込みをすることによって、睡眠の時間がまったくゼロになりました。
 講演を聴かれるかたは、それぞれの人生の二度とない時間を割いて、聴いてくださるのだから、なるべく徹夜はせずに、いくらかでもましなコンディションで出発したかったですね。

 この地味ブログのコメント欄を訪れたどなたにも、新しい朝の訪れますように。

 西暦2010年、平成22年、皇紀2670年卯月20日 午前4時ちょうど


▼きょうの講演先の熊本に、数時間まえに着いています。
 咲き始めたツツジが美しく、雨上がりのお城のたたずまいが胸に沁みます。
 いま、そのお城の前にいます。

 熊本は、独研が有明海の海洋環境改善について熊本大学の滝川教室と連携し共同研究をしているために、ぼくらにとって特別な場所です。
 きょうの講演は、商工中金の主催ですから、その共同研究と関係はありません。
 しかし、肥後もっこすのみなさんと会うのが楽しみです。


 午後零時15分、講演直前にて。

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