2012-01-12 08:56:56
「書店で手に入らなくて困る」というお問い合わせに答えます
▼あくまでぼくの考えと責任で述べます。出版社には当然、言い分というか理由があるだろうと考えます。(ぼくの推察ですから、出版社の本音と一致しているとは限りません)
たとえばある大規模書店の大分の店舗(支店)には、10冊が納品され、新刊書のところに山積みにしてくれているのですが、昨日現在、ただの1冊も買った人はいません。
よく返品しないでいてくれるなぁ、我慢してくれているなぁ、この出版不況のさなかなのに、とぼくも思います。
アマゾンをはじめ、ネット上では沢山の人が読んでくれていますが、やはり書店の店頭で買う人がいないと、出版社(版元)は本を刷りません。
ネット上で売れていても書店で売れる保証にはならず、書店に冊数をそろえて並べても、それがさばけないと返本となり、返本は輸送コストなどがかかり、そのリスクを考えねばならないからです。
この状態で増刷しても、ごくわずかな冊数ですから、結果として「どこの書店に行っても、ない。なぜですか。どうにかしてください」というEメールや書き込みがやって来て、ぼくも辛い、ということになっています。
大分は単なる一例です(ただし実例)。
逆な例もあります。
ぼくが毎週水曜日に、生放送で自由に話している関西テレビの報道番組「スーパーニュース・アンカー」の放送地域以外でも、四国の高松や、東京の北千住あたりの店舗(支店)では、すでに全冊、売り切れています。
しかし、前述したような理由で増刷が少ないから、売り切れの書店にも、なかなか次の本が並びません。これも結果として「青山さんの本は影も形もない。どうにかできませんか」というEメールや書き込みが、ぼくに届くことになります。
残念ながら、ぼくは本を刷れないのです。
出版社に無理を求めることもできません。前述のリスクを版元が考えるのは、避けがたいからです。
書店で買うひとが増えれば、冊数が増えて、「手に入らずに困る」とおっしゃるかたが減る。今はその逆が起きている。それが事実の、ほぼすべてです。
現在はその影響がネットにも波及して、ネット上でも品不足となり、一部のサイトでは手に入らない状態がすでに起きています。
このまま行くと、今後はネットであっても、どこのサイトでも手に入らないということが間もなくやって来るでしょう。
すると、今のところぼくの出したただ1冊の純文学小説である「平成」(文藝春秋)が現在、書店はもちろんネット上でも手に入らず、ネットの中古市場で目を剥くような高値が付いてしまっている…それと同じ道を辿ることにもなりかねません。
▼「ぼくらの祖国」は文字通り、ぼくの命そのものを削りました。そうやって、世に出しました。
日本の国家と国民に、これだけは告げておきたかったからです。
稀少本をつくったのではありませぬ。
1人でも多くの同胞(はらから)に、ちいさな問題提起をしたいと思いました。
手に入らない珍しい本は、ぼくも大好きですが、「ぼくそこ」は目的、目指すものがまったく違います。
発売からまだ2週間も経っていません。
これからがむしろ本番でしょう。
本来の役割を果たせるよう、祈るばかりです。ぼくに宣伝はできませんから。
ただし、現状も、それから「平成」と同じ運命になろうとも、最終的に全責任はぼくにあります。
最後には、宣伝もへったくれもありません。多くの人が読みたいと思う本を書けるかどうかは、一切合切、書き手のぼくの責任です。
ぼくは、物を書くときに、データマンを一切使いません。ノンフィクションの本は実際には、出版社が用意した『データや情報を収集する要員』とか、あるいはご自分で頼んだ有償の協力者とか、そうした背景があって書かれることも多いのです。
ぼくは書籍であれ、雑誌などへの寄稿原稿であれ、何もかも、おのれひとりで書きます。
それは、独研(独立総合研究所)から会員に配信しているレポートでも同じです。この東京コンフィデンシャル・レポート(TCR)については、会員そのものからも「青山さんの過大な負担を減らすために、独研の研究員の協力を得るべきだ」という意見も常にいただきますが、それは、しません。
物書きとしての、ぼくの信念です。ほかの作家のかたが、どのように協力者を得て書かれようとも、一切、批判はしません。その人の選択だからです。
同時に、ぼくの選択も貫きます。
ということは、何があっても、誰のせいにもできない、責任を分担できない、自分ただ一人の責任である、ということです。
▼「書店で手に入らない」という書き込みが多いなかで、こんなひとことが添えてある書き込みもありました。
~引用~
「ぼくそこ」の精神を受け継いだもので・・・
童話だったり小説だったりがあってもいいかなぁ~と思いました。
~引用終わり~
ほんらいは、物書きは1冊をおのれの手から離して世に出して、公器としたからには、次の書にこそ取り組むべきです。
童話と小説…いいですねぇ。
まずは、7年間も抱えていて、実はかなり完成に近い短編小説の仕上げに、わずかながら取りかかっています。
ただ、もうふだんの凄まじい日程が始まっていて、気力、体力、物理的な時間の確保、いずれも、なかなかハードです。
しかし上記のひとことに、励まされるというか、気持ちが和(なご)みました。
今日はこのあと、都内の病院で医師のアドバイスを受けてから、京都に向かい、講演し、そのままさらに北陸路へ向かいます。北朝鮮をはじめとするテロ行為の脅威を封じ込める実務です。
誰も評価してくれない、みんなには見えないところで使命を果たすのが、独研(独立総合研究所)とぼくの、みずから選んだ任務です。
- 2014-12-31 19:29:41
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