2006-03-25 01:43:01
すべて、じぶんのせい
何度か書いたと思うけど年度末、3月は毎年、シンクタンクにとっては地獄の季節です。
すべての調査・研究プロジェクトの大部、大冊の報告書が締め切りを迎えるから。
だけど、地獄というのは、そのただなかにいると、地獄だからこそ滑稽なことが起きる。起きてしまうのです。
ここ数日、調査・研究プロジェクトの報告書の執筆・総チェックに加えて、いろいろな原稿の締め切りがどっと来ています。
そのなかで、PHPから出ている論壇誌『VOICE』から依頼された「シミュレーション米軍撤退」(仮題)という原稿では、もともと集めていた情報に加えて、たくさんの当事者取材、たとえばアメリカ軍騎兵部隊の中佐といった人たちへの電子メール取材を補足し、それから書き出しの1行目から、考えに考えて推敲しつつ、すこしづつ書いていました。
だけでも、研究プロジェクトをはじめほかの原稿も待ったなし、それから、シンクタンク社長としての打ち合わせや交渉、それに決断のためにじっと考えること、さらに若干のテレビ・ラジオ出演もあって、VOICE原稿の執筆は、遅々として進まない。
VOICEの編集者は、辛抱強く待ってくれて、締め切りを何度も後ろへずらしてくれる。
それに助けられつつ、でも、原稿は呻吟します。
そして、ほぼ原稿全容の見通しがついた3月23日木曜日の深夜、翌24日金曜日の朝8時まで、最後のデッドラインの締め切りを延ばしてくれました。
さぁ、あと8時間近くもある、これで大丈夫と思いきや、凄まじい眠気も手伝って、1行1行に苦吟してしまう。
それに、なぜか、なぜなのか、いつもより原稿の枚数がなかなか増えていかない。書いている割には、枚数が増えていかない。
どうしてかなー、と思いつつ、気のせいだと考え直しては、書いていく。やっぱり枚数は、なかなか増えない。
金曜の朝8時になり、編集者から電話。
当然、脱稿しているはずが、まだ未完!
編集者だけじゃなく印刷所も校正スタッフもみな、待機してくれているのに。
やむを得ず、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ方式で書き進めます。
ちぎっては投げ、というのは、記者時代によくあった「1分1秒を争って早く出さないといけない時には、未完でも、書けたところから、どんどんデスク(いまは編集者)に投げていく(送稿していく)」という、やり方。
そして、求められている分量、400字詰め原稿用紙まであと4枚半になったとき、編集者から電話。
「あのー、ゲラ刷りにしてみますと、もうとっくに25枚を超えていますよ」
えっ。
あ、一太郎ソフトの書式設定を間違えたかな。
調べてみると、やっぱり。
400字詰めにちゃんと直してみると、もう34枚になっているぅ。
眠気のせいなんだろうな、きっと。
14枚分を、ゲラから削らないといけない。
一字一字に心血を注いで書いてきたし、全体の構成から、文章のどの部分、どの場面、どの情報も削れない原稿になっている。
だけど、削らねばならない。
要はすべて、自分のせいだから。
送られてきたゲラを見ると、実に234行も削り込まないといけないや。
よけいに書いちゃったと分かったあと、独研の社長室でうとうとしていると、富豪が現れて、そのよけいに書いた分を高く買うよ、譲ってほしいと熱心に申し出てくれて、横にいた誰か優しい女のひとが「よかったね」と言ってくれた。
顔をあげると、夢でした。
社長室を出て、思わず夢の話をすると、『徹夜仲間』の研究員たちが、吹きだしていました。
明日24日の土曜日は、TVタックルの収録だけど、きっと眠い顔で出ます。
今回のタックルは、スペシャルで、夜7時から放送が始まる。
だけど、ぼくは後半だけに出ます。何時ごろかな。8時半ぐらいから、かな。よく分かりません。
写真は、独研の社長室シリーズの続きですね。
天井の灯りは落として、フロアライトだけの明かりで撮ってみました。
執務机の向かい側の壁です。
右側のちょっと黒っぽく写っているのは、打ち合わせ用のテーブルですね。実際は、ダークブラウンです。
明かりや飾り棚の上のほうには、たとえば、ベトナム戦死者の名が刻まれたメモリアル・ウォール(ワシントンDC)の写真などが掛けてあります。
- 2014-12-31 19:29:41
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