On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-03-26 14:21:26
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令和の鬱屈男の独白

▼先ほど、予算委員会は令和3年度予算案を賛成多数で可決して、毎日ずーっと座りっぱなしだった予算委員会はついに終わりました。
 きょうも質問者によっては怒号が耳元で炸裂しました。
 このあと夕刻から、仮に予定通りに参議院本会議が開かれて、そこでも可決されれば、予算の成立です。

 武漢熱による中国原産不況で日本中が苦しむなか、予算はきちんと成立させねばなりません。

▼予算委が終わって、国会議事堂のあまり広くはない廊下に出るとき、同期当選の女性議員と言葉をかわしました。
「青山さん、お疲れさま」
「はい、お疲れさまです。きょうは応援ですか ? 」
「いや、差し替えです」

 応援とは、議席の後ろで待機して、予算委に属する議員がトイレに立ったり、所用で短時間だけ席を外す時に、素早くその席を埋めることです。

 差し替えとは、ほんらいの予算委員に何か理由があるとき、他の議員が臨時に、かつ正式に交代することです。
 たとえ一日だけの交代でも、いくつかの正式な手続きを必ず踏まねばなりません。

 ぼくはこの足かけ5年、応援も差し替えも、できるだけ積極的に協力してきました。「積極的に協力」とは、国対 ( 国会対策委員会 ) から応援や差し替えを頼まれたら、なるべく断らないことです。もちろん、どうしても外せない案件と重なって断らざるを得ないこともありますが。
 自分にとっては無駄に見える努力、それがいちばん大切だと考えています。

 またこういう姿勢を黙って続けていれば、それが誰であっても、党内での発言力を知らないうちにすこしは高めていたりします。
 先日の自由民主党大会で思いがけず、話題になった「青山繁晴事務所を通じて党員になってくださる主権者が少なくない」ということは大いに発言力を高めてくれますし、不肖ながら代表を務めている護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の存在も重要です。

 同時に、応援や差し替えといった目立たないことも影響します。
 これまでの自由民主党とは違う、いくつかの主張を掲げて議員活動をしている以上、そしてまさしくそれを日本の主人公である主権者に委託された以上は、発言権を高めるのは間違いなくぼくの義務です。

▼何でもない会話の続き。

ぼく   「差し替え、それはほんとにお疲れさまでした」
同期議員 「青山さんはずっと予算委員ですよね ? 」
ぼく   「うん。同期でずっと予算委員を務めているのは、ぼくひとりになっちゃった」
同期議員 「ずっと・・・って、何年 ?」
ぼく   「え ? そりゃ足かけ5年です。5年前に一緒に同期当選したんですから」
同期議員 「5年、ずっと、予算委員 ?!」
ぼく   「そうです」
同期議員 「えーっ」

 予算委員だと、毎年、予算の季節が来ると、来る日も来る日も同じ椅子に縛り付けられることになります。
 それも無事な、落ち着いて議論する審議じゃまったくない。
 特にNHKの生中継が入る日は、野党が変わります。
 おととい、主権者が何人か、感染症対策をとりつつ、予算委員会の傍聴に来てくださいました。
 テレビ中継のないぼくの質疑を現場でご覧になったおひとりが「テレビ中継なしだと、あんなに静かな審議なんですね。びっくりです」とあとで伝えてこられました。

 この主権者はきっと、ふだんNHKの中継で、予算委員会の審議を視聴なさることがあるのですね。
 えらいです。
 あくまでぼくの受け止めている事実としては、NHKの中継は野党の凄まじい怒号も、怒号には聞こえないように音声が調整されています。
 だから、現場では「そんなもんじゃない」というやつです。
 大袈裟でなく、きもちが鬱屈します。
 まさかそういう意図ではないでしょうが、人間性が否定されるかのような場になっていることも、さほど珍しくはありませぬ。

 自由民主党の国会議員だったら、みんなそれを知っているから、前掲の同期議員は同情 ? してくれたわけです。
 わははのは。

▼しかし、ほんとうは予算委員会はこれで終わりではありません。
 予算が成立したあとでも、重大事があれば開かれることがありますし、やがては補正予算案が出てくる可能性があります。補正予算案も、国の予算である限りは、国会の予算委員会で必ず審議されます。
 このごろはその補正予算案も、一度では済まず、武漢熱の直撃を受けた令和2年度予算では、第一次、第二次、第三次と補正せざるを得なかったことがみたびありました。
 そのたびに、予算委員会の部屋のあの伝統ある、しかし古く、腰を痛める傾斜のついてしまった椅子に、ずっと括 ( くく ) りつけになります。

▼議員会館の事務所、ぼくと秘書さん3人がいま居る部屋は、まえに、異業種から議員になったひとが居たそうです。
「議員がすっかり嫌になった」と4年目ぐらいから仰っていたと、あるところで複数のひとから聞きました。
 椅子に括りつけになる、そういうことも影響したかも知れませんね。異業種から来られたということは、そこで大活躍されていたんでしょうから。

 そのまま理解します。
 ただ、括りつけられた椅子も、いつかは解放されます。その先の行動は果たしてあったのでしょうかとも、ふと、思うのです。
 この方を直接は全く存じあげないので、これ以上勝手なことを言うのは、いけません。

 なぜ、これを話すか。
 ぼくの前ではなく、ぼくのあとから来られる異業種のひと、こうしたことをあらかじめ覚悟はしていただきたいのです。
 そして覚悟だけなら、息が詰まってしまいます。
 無駄な努力の積み重ねの先にこそ、自在の活動がある。それが人生の歓びだ。
 そう思っていれば、救われます。

 ぼく自身がほぼ毎晩、深更には鬱屈を極めているので、大きなことは言えません。
 それでも朝になって、あっつーい風呂に入って、わが血を体躯に駆けめぐらせ、スーツに着替えると、鬱屈は見事に吹き飛んでいます。

▼ところで、先日の党大会で名を呼ばれたことをブログに記したら ( ここ ) 、それだけでさらに、青山繁晴事務所を通じて党員に新たになってくれる主権者がいっぱい、いらっしゃるのです !
 めちゃくちゃ責任を感じます。それもいい感じで、痛感します。朝風呂より何より、ぼくの鬱屈を和らげてくださいます。
 大感謝 !

 三浦麻未公設第一秘書がつくってくれた募集要項をできるだけ短く、下掲します。
 もっと詳しくは、ここをどうぞ。

▽自由民主党への入党を希望される方は、下記のメールアドレス宛てに
・氏名
・住所
・電話番号
・希望する申込書数
をお書きになってメールをしてください。青山繁晴事務所の三浦麻未公設第一秘書らから、申込書をお届けします。
通年募集です。いつでも入れて、いつでも抜けられます。義務は何も生じません。

aoyama.shigeharu.info@gmail.com





 
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